
1日でも早くFIREしたい……!実際のところ、3000万円くらいでサイドFIREはできるのかなあ……?
こんにちは。40代で2人の子供を育てながら、サイドFIREを目指しているせつやんです。
「FIREには5000万円必要」とか「いや1億円は必要」といった噂を耳にして、不安になっている方もいるかもしれません。
「3000万円くらいなら行けそうだけど、サイドFIREなら達成できる?」――今回はそんな疑問について、この金額の現実的な位置づけから、成立させるための条件まで、具体的な数字とともに考えていきます。
サイドFIREにおける3000万円という金額の位置づけ
まずは、3000万円という金額がサイドFIREをいうスタイルにおいてどの程度の水準なのか、客観的に整理してみましょう。
4%ルールで考えた場合の3000万円の資産収入
FIREの世界でよく使われる「4%ルール」に基づくと、資産3000万円 × 4% で、年間120万円、月額換算で10万円の資産収入が見込める計算になります。
月10万円の資産収入と考えると、時給1200円のアルバイトやパートで80時間以上の労働に相当します。つまり、週5回、1日4時間の労働を1ヶ月続けたくらいの収入です。
そう考えると、決して小さくない金額であることが分かります。
ただし、これはあくまで税引前の金額である点に注意が必要です。すべてNISA口座で運用しているなどのケースでない限り、実際の手取り金額はこれよりも少なくなります。
実際の手取り額はどのくらいになる?
株式投資や投資信託で得た利益には、一律20.315%の税金がかかります。このことから、SNS等では「120万円の約20%が税金で取られるから、手残りは96万円」のように言われることがありますが、これは誤りです。
特定口座で株式や投資信託を取り崩す場合、税金がかかるのは売却額のうち含み益の部分のみです。上記の計算は120万円全額が含み益である場合の計算ですが、それは起こり得ません。投資には元本部分と含み益部分があるからです。
例えば、資産3000万円のうち20%(600万円)が含み益、残り80%が元本だったと仮定して計算してみましょう。
年間120万円を取り崩す場合、そのうち含み益部分(20%)は24万円となり、この部分のみに譲渡益への税率20.315%が課されます。つまり、この場合の税金は4万8756円となり、実際の手取り額は120万円 ー 4万8756円 =115万1244円となります。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 年間取り崩し額(税引前) | 120万円 |
| うち含み益部分(20%) | 24万円 |
| 含み益への税金 | 約4.9万円 |
| 手取り額(年間) | 約115.1万円 |
| 手取り額(月換算) | 約9.6万円 |
なお、含み益の比率が高いほど税負担は大きくなります。上記はあくまで一例として捉えていただければと思います。

SNSでの説より20万円近く多いんだけど!
5000万円・1億円との比較で見える、3000万円の特徴
同じように、FIREの「4%ルール」で計算すると、5000万円であれば年間200万円、1億円であれば年間400万円の資産収入が見込めます。前者であればサイドFIRE、後者であればフルFIREも視野に入ってくる金額です。
3000万円は、これらと比べると基本的には資産収入だけでの生活は難しい水準といえます。特に子持ち世帯にとってはほぼ不可能な水準です。
労働収入との組み合わせ方が、成立の可否を大きく左右する金額で、なおかつ労働でどれくらい稼げるか、あるいは稼ぐ意思があるかというところが重要になってきます。
3000万円でサイドFIREが成立する条件は?
月10万円近い資産収入は強力ですが、それだけでFIREはできません。サイドFIREするにも「少なすぎるのでは?」と不安になる方も多いでしょう。
しかし、必ずしも4万8756円。不安になる前に、成立させるための条件を確認しておきましょう。
最大のポイントは「労働収入をどれだけ確保できるか」
資産収入だけで生活費をカバーしようとすれば、3000万円は心もとない金額です。しかし、一定の労働収入を安定的に確保する前提であれば(つまりサイドFIREであれば)話は変わってきます。
ポイントは、その労働収入をどれくらい確保できるかです。独身の方であれば、月に10万円程度の労働収入があれば、合計で月20万円程度の生活資金ができるため、それだけでサイドFIREを達成できる場合もあるでしょう。
一方で、夫婦で暮らしていたり、さらに子供がいたりするケースでは、月20万円で暮らしていくのは難しくなります。この場合は、さらに10〜20万円程度の労働収入が必要になります。
仮に、子持ち世帯で月の生活費が35万円の場合は、確保すべき労働収入は夫婦で25万円となります。それぞれ副業やアルバイト、パートなどで12〜13万円稼げばよいので、サイドFIRE(バリスタFIRE)できるとも言えますが、それなりの労働時間を確保する必要が出てくるでしょう。
あるいは、夫婦どちらかはフルタイム労働を続け、一方が大きく労働を緩めるというライフスタイルは十分可能性があります。
例えば、夫はフルタイム労働を続ける一方で、妻は基本的に家事や育児に専念し、少しだけパートで働く、というようなケースです。この場合は、夫が月25万円程度稼ぎ、妻が5万円稼ぐ、という感じでも十分に成立します(このような状態を「サイドFIRE」と呼ぶかは別問題です)。

資産収入で賄えない部分をどうやって補填するかが重要です!
生活費自体を抑えられるケース
上記では、「収入」に注目しましたが、そもそもの生活費(支出)を抑えられるケースでも、3000万円FIREの道がひらけてきます。
特に生活費において大きな割合を占めるのが住居費ですが、都市部より地方、持ち家(ローン完済済み)や実家暮らしなどが可能である場合は、この生活費を大きく抑えることができます。
仮に、都心から地方に引っ越すことで、生活費(住居費)を月7〜8万円抑えることができる場合、それだけそのまま、労働時間を減らせることを意味します。これはサイドFIREを目指す上で大きな差になります。
比較的少ない資産でのFIREを目指す場合は、「生活費の安いエリアに住む」という選択も頭に入れておくとよいでしょう。

会社員を辞めたあとであれば、まったくの別エリアへの引っ越しもしやすくなりますね。
独身か、子持ちかによる大きな差
上でも少し触れましたが、、独身世帯と子持ち世帯では、生活費の水準が大きく異なります。単純に食い扶持が増えるというだけでなく、子供がいる場合、「教育費」という不確定要素が加わります。
こうなると、3000万円というラインでのサイドFIRE成立難易度は上がると考えておいたほうがよいでしょう。仮に労働収入で毎月の生活費は確保できたとしても、基本的には、子供の将来に向けて、さらなる積み立てが必要になるケースが多いためです。
3000万円でのサイドFIREで、教育資金の積み立てを行うには、その分も余計に働く必要が出てくるので、厳しいと感じる人も多くなるかもしれません。
もちろん、教育資金はFIRE資金とは別で確保してある(目処がついている)という場合はこの限りではありません。
【シミュレーション】資産3000万円+サイドFIREのモデルケース
では次に、具体的な数字で、「3000万円サイドFIRE」の成立イメージを掴んでみましょう。
独身の場合のモデルケース
生活費を月20万円程度に抑えられる独身世帯であれば、資産収入(約9.6万円)に加えて、月10万円程度の労働収入があれば収支が成立する計算になります。
10万円というと、時給1200円で考えると、月に83時間程度の労働に相当します。バリスタFIRE的な働き方で、1日8時間のアルバイトなら月10日程度(週2〜3回)、1日6時間なら月14日程度(週3〜4回)の労働でOK」ということになります。
労働時間は一定必要になりますが、会社員に頃と比べると、責任が軽くなる、残業がない、休みが多いなど多くのメリットを享受できます。
子持ち世帯の場合のモデルケース
生活費が月35万円程度かかる子持ち世帯の場合、資産収入(約9.6万円)に加えて、月25万円前後の労働収入が必要になる計算です。バリスタFIRE的な働き方や、夫婦のどちらかがフルタイムに近い形で働くことを組み合わせるなど、より積極的な労働収入の確保が求められます。
先にも述べた通り、重要なのは、単に生活するお金の他に、子供の将来の教育費も考える必要がある点です。
上記の金額で確かに生活は成立しますが、収入の分、毎月使い切っていると、子供の教育費を用意することができなくなってしまいます。特に子持ち世帯に関しては、将来のことも考えながら、余裕を持った家計を想定することが大切です。
労働収入の金額別、成立しやすさの比較
| 資産収入(月) | 労働収入(月) | 合計額 | 独身世帯 | 子持ち世帯 |
|---|---|---|---|---|
| 9.6万円 | 5万円 | 14.6万円 | 場合によって可能 | ほぼ不可能 |
| 9.6万円 | 10万円 | 19.6万円 | 成立可能 | かなり厳しい |
| 9.6万円 | 15万円 | 24.6万円 | 余裕あり | ギリギリ |
| 9.6万円 | 20万円 | 29.6万円 | 十分な余裕 | 成立可能 |
| 9.6万円 | 25万円 | 34.6万円 | 十分な余裕 | やや余裕あり |
こうして見ると、「3000万円で足りるかどうか」は、資産額そのものより、労働収入をどれだけ確保できるか、あるいは支出額(生活に必要長く)をどうコントロールできるかが重要であることが分かります。
3000万円を5000万円にするには何年かかる?
ここまで見てきてやっぱり「3000万円では心もとない」と感じた方もいるかもしれません。となると、次のターゲットとなるのが5000万円です。
もし、この3000万円を元手に、5000万円の資産を作ろうとした場合は、どれくらいの期間が必要なのでしょうか。シミュレーションしてみました。
追加投資なし(複利のみ)での達成年数
まずは、今の3000万円に追加投資をせず、複利運用だけに任せた場合です。5000万円に到達するまでの年数は以下の通りです。
| 想定利回り | 到達までの年数 |
|---|---|
| 3% | 約17.3年 |
| 5% | 約10.5年 |
| 7% | 約7.6年 |
| 10% | 約5.4年 |
オルカンの期待利回りは平均で7〜8%と言われています。仮に7%で見ると7年半程度で5000万円を達成できる計算になります。
追加投資を組み合わせた場合の5000万円達成年数
次に、複利のみに任せるのではなく、追加投資を組み合わせた場合です。追加投資を行うことで、到達までの期間を大きく短縮することができます。
| 追加投資額(月) | 利回り5% | 利回り7% |
|---|---|---|
| 0円(複利のみ) | 約10.5年 | 約7.6年 |
| 月5万円 | 約7.8年 | 約6.0年 |
| 月10万円 | 約6.3年 | 約5.1年 |
このように、月10万円の追加投資ができる場合、利回り7%なら、約5年程度で5000万円に到達しうるという結果になっています。

5年頑張れば5000万円に到達するかもしれないの……!?これはチャンレンジする価値アリか!?
「待つ」か「今の3000万円で始める」か、という判断軸
こうして数字を見ると、「あと数年待てば5000万円に届くかもしれない」と感じる方もいるでしょう。一方で、「あと5〜10年」という期間は、短くないことも確かです。
特に子持ち世帯にとっては、サイドFIREを目指す理由として「子供と過ごす時間を確保したい」を上げる方も少なくありません。残念ながら、子供が親にかまってくれる期間は非常に短く、この「5年〜10年」はその意味では極めて長い期間と言えます。
また、現実問題として、そこまで多くの追加投資を行えないというケースや、市場に大きく左右されるという側面もあります。そういう意味では、子供と過ごす時間を優先する、という選択肢があってもよいのではないかと思います。
あるいは、収入を維持しながら働き方の自由度を上げる方法として転職という手段もあります。残業の少ない職場やリモートワークOKの職場に転職することができれば、すぐにサイドFIREせずとも、子供との時間を確保できる可能性が高まる上、さらなる資産形成も進められます。

資産に余裕を持たせたいけど、子供と過ごせる時間は多くない……悩みどころです。
3000万円でサイドFIREを目指す場合のリスク
3000万円でサイドFIREするのは、決して無理ではありません。しかし、条件付きであることは確かで、なおかつ、特有のリスクがあることは理解しておく必要があります。
ここでは3000万円サイドFIREをする前に知っておくべきリスクについて紹介します。
リスク1.資産の目減りに対する耐性が低い
3000万円という金額は、生活費のアテにする資産としてはギリギリのラインです。そのため、5000万円や1億円といった資産と比べると、相場下落時の耐性が低くなりやすいというデメリットがあります。
例えば、取り崩しのタイミングと市場相場の悪化で資産減少のタイミングが重なった場合、想定より早く資産が目減りすることになります。
このときに、取り崩さずに済む、いわゆる「現金クッション」を1年分程度の生活費分を確保しておけばある程度耐えることができますが、「資産がどんどん減っていく、でも生活費をここから確保しなければならない」という状況はなかなか精神的にもキツいものです。
こうした自体になったときに、労働を増やして収入を確保できるかどうかも、事前に検討しておく必要があるでしょう。
リスク2.労働収入が途絶えた場合の脆弱性
ぶっちゃけて言えば、3000万円でのサイドFIREは、労働収入への依存度が高い設計です。もし、病気やケガなどで働けなくなった場合、頼りになるのは資産収入だけです。……と言ってもこれは普通にはたいている場合も同様であり、むしろ資産収入があるだけマシ、とも言えます。
ただし、正規労働をしている場合との大きな違いは社会保障の有無にあります。
正社員(正規雇用の会社員)であれば、働けなくなっても傷病手当金(給与の約3分の2が最長1年6ヶ月支給される)や休職制度、手厚い障害厚生年金などで守られます。
一方で、サイドFIRE後にフリーランスやパート(国民健康保険・国民年金)として働いている場合、これらの手厚い社会保障が受けられないため、いざという時のダメージが桁違いに大きくなります。
こうしたリスクを事前に防ぐために、敢えて社会保障を受けられるバリスタFIREというスタイルを選ぶという方法もあるでしょう。
リスク3.教育費など、想定外の支出への対応力の低さ
資産に余裕が少ない分、教育費の急な増加など、想定外の支出に対応する体力が限られるという点も、事前に認識しておきたいリスクです。
一般的に、教育費のピークは子供の大学進学時になると言われています。その後も4年間は学費がかかり、国公立の場合でも総額で250万円程度、私立なら400〜500万円程度がかかります。さらに医療系であれば2000〜3000万円に達することもあり、これは幼少期にはなかなか読みづらい金額です。
3000万円サイドFIREで、日常の生活が成立していたとしても、このような一時的な大きな支出で生活が崩れてしまうということは十分有り得る話です。そのため、FIRE計画をする際には、一定の余裕を持ったプランニングが重要になります。
まとめ:3000万円でもサイドFIREは可能。だが子持ちにはキツい
今回は、資産3000万円でサイドFIREは可能かという視点で色々と考えてみました。
私自身もFIREを目指すものとして、気持ちはよく分かるのですが、おそらくこのような不安を抱く人は「3000万円では難しいのかも」と思いつつも、それでも今の仕事や生活環境に耐え難いものを感じていて、一刻も早く抜け出したいという気持ちがあるのだと思います。
個人的には、まずその気持は大事にしたほうがいいと思っています。なぜなら、私も仕事のプレッシャーでメンタルをやられて、休職を余儀なくされたからです。
結果的には、この休職期間は「プレFIRE」のような気持ちで過ごすことができ、よい経験になりましたが、最終的に人生を楽しめなくなることが最大のリスクであり、仕事から解放されることでそれが取り除かれるのであれば、突き進んだほうがいいと感じました。
ただし、これには家族の安心・安全もしっかり確保できていることも重要です。子持ち世帯にとって、自分だけが楽しい人生はありえません。妻や子供も、みんなで幸せになることが大切です。
そのためには、事前の慎重なプランニングが欠かせません。3000万円という資産は、「4%ルール」に従えば、年間120万円(税引前)の試算収入を生み出します。これは十分にすごいことですが、特に子持ち世帯にとっては、これだけで生活するのはほとんど不可能に近いでしょう。
となると、生活費を補填するために働く必要があります。3000万円で得られる試算収入は決まっているので、サイドFIREを成功させるには、「支出を減らす」か「労働を増やす」の2択、あるいはその両方を実行するしかありません。
可能であれば、生活費+αの余裕を持ったうえで、将来の子供の教育費を積み立てたり、さらに資産を増やして将来的に労働を減らせるように一定額を運用に回すといった準備も検討したほうがよいでしょう。
住宅ローンなどでも同じですが、ギリギリで計画するのはやめておいたほうがよいです。多くの場合、楽観的すぎる想像が、「ギリギリプラン」の元凶となります。そして、人生はそんなに思ったとおりにはいきません。必ず、「想定外」のことが起こると思っておいたほうがよいのです。
「想定外のことが起こること」を想定し、余裕を持った計画を立てることが、目の前だけでなく長期的に見たときの家族全体の幸せにつながるのではないかと思います。
ということで、今回は以上です!



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