こんにちは。40代で2人の子供を育てながらサイドFIREを目指しているせつやんです。
FIREを目指しているみなさんであれば、資産運用の10回や20回はやっていることでしょう。将来の予定は日々目まぐるしく変わっていきますから、資産運用も何度やっても「やりすぎ」ということはありません。
しかしながら、ここで肝心なのが、「自分の資産がどれくらいの利回りで成長するか」です。そこで今回は、具体的にどれくらいの利回りを期待してFIREを目指すのがよいのかについて考えてみたいと思います。

何%のくらい期待してFIREシミュレーションをすればいいんだ……?
FIREの4%ルールに従えばいいのでは?
FIREには有名な「4%ルール」というものがあります。これは、「リタイア後の年間生活費を、投資資産全体の4%以内に抑えれば、資産を目減りさせずに半永久的に暮らせる」という考え方のことを指します。
これをもとに、「4%の成長率で試算すればいいのでは?」と安直に考えがちですが、「資産の増加」という点に絞ると、実は不十分です。

私も一時期勘違いしていました!
4%はあくまで「取り崩しの指標」である
4%ルールは、アメリカのトリニティ大学の教授らが発表した「トリニティ・スタディ」という論文が出典で、株式と債券で運用しながら資産を毎年一定割合で取り崩す場合に、何%の取り崩しなら資金が枯渇せずに長期間資産を維持できるかを検証したものです。
取り崩しの4%(2年目以降)は、物価上昇に合わせて、前年の引き出し額にインフレ率をプラスした額を、その年の引き出し額として計算しています。つまり、継続的な物価上昇も考慮に入れたルールです。
過去のデータでは、物価上昇を考慮しても年平均約7%のリターンが期待できるとされており、その運用益の中から「4%」を取り崩しても(そしてインフレ分だけ取り崩し額を増やしても)、長期間にわたって元本を枯渇させずに維持できるとされています。

(参照:Retirement Savings: Choosing a Withdrawal Rate That Is Sustainable)
一番上の列が取り崩し率です。4%の列を見ると、アセット(株式と債券)の割合がいずれのケースでもほとんど100%の割合で長期間の資産維持に成功していることが示されています。
シミュレーションしたいのは資産の成長です!
根本に戻りましょう。資産運用シミュレーションで知りたいのは、「〇〇年後に資産がどれくらいになるか」です。ということは、期待される成長率で計算するのが適切です。
上でも紹介したように、「4%ルール」でも、米国経済は歴史的に年平均7%のリターンを投資家にもたらしていると言っているわけですから、特にS&P500やオルカンといった、米国株をメインにしたインデックス投資を行っている人は、まずは想定利回り7%をベースに資産運用シミュレーションしてみるのがよいということになります。

「4%ルール」という言葉に引っ張られて、4%で計算するのはちょっともったいない(?)かもしれません!
主要指標の実際の期待リターンはどれくらい?
トリニティ・スタディで使われている平均リターン7%は、株式に債券を混ぜたポートフォリオ(債券25〜50%)で計算されたものです。
ここでの計算はかなり昔のデータも含まれており、特に米国債は10%を超える利回りの時期もありました。現在では状況はまったく変わっていますし、さらに個人のポートフォリオでも、期待リターンは大きく変わります。
となれば、今資産運用シミュレーションをするなら、直近のデータを参考に行うのがいいはずです。ここでは、FIREを目指す方の多くが取り入れているであろうインデックス投資の主要指標の期待リターンについて見てみましょう。

直近のデータから想定リターンを考えましょう!
オルカン/S&P500/ナスダック100の直近30年のリターン一覧
3つの主要指標の直近30年間(1996年〜2025年)の、年ごとの年平均リターンを一覧にしたのが以下です。
| 年 | オルカン (MSCI ACWI) | S&P 500 | ナスダック100 |
| 1996 | +13.5% | +23.0% | +42.5% |
| 1997 | +15.8% | +33.4% | +20.6% |
| 1998 | +22.8% | +28.6% | +85.3% |
| 1999 | +25.4% | +21.0% | +101.9% |
| 2000 | -14.2% | -9.1% | -36.8% |
| 2001 | -16.8% | -11.9% | -32.7% |
| 2002 | -19.3% | -22.1% | -37.6% |
| 2003 | +34.0% | +28.7% | +49.1% |
| 2004 | +15.2% | +10.9% | +10.7% |
| 2005 | +9.5% | +4.9% | +1.5% |
| 2006 | +20.7% | +15.8% | +6.8% |
| 2007 | +11.7% | +5.5% | +19.2% |
| 2008 | -42.2% | -37.0% | -41.9% |
| 2009 | +34.6% | +26.5% | +53.5% |
| 2010 | +12.7% | +15.1% | +19.2% |
| 2011 | -7.3% | +2.1% | +2.7% |
| 2012 | +16.1% | +16.0% | +16.8% |
| 2013 | +22.8% | +32.4% | +35.0% |
| 2014 | +4.2% | +13.7% | +17.9% |
| 2015 | -2.4% | +1.4% | +8.4% |
| 2016 | +7.9% | +11.9% | +5.9% |
| 2017 | +24.0% | +21.8% | +31.5% |
| 2018 | -9.4% | -4.4% | -1.0% |
| 2019 | +26.6% | +31.5% | +38.0% |
| 2020 | +16.3% | +18.4% | +47.6% |
| 2021 | +18.5% | +28.7% | +26.6% |
| 2022 | -18.4% | -18.1% | -33.0% |
| 2023 | +22.2% | +26.3% | +53.8% |
| 2024 | +17.5% | +25.0% | +24.8% |
| 2025 | +15.2% | +18.1% | +20.4% |
資産運用シミュレーションするときは必ず「複利平均」を参考に
そして、各指標のの「30年間の平均リターン」が以下となっています。平均リターンには、複利効果を考慮した「年平均成長率(CAGR)」と、単に各年のリターンを平均した「算術平均」の2種類の考え方があります。
| 指標 | 複利平均 (CAGR)(資産の実際の成長率) | 算術平均(単年の平均値) |
| オルカン (MSCI ACWI) | 約 8.3% | 約 10.3% |
| S&P 500 | 約 10.5% | 約 12.1% |
| ナスダック100 (NASDAQ-100) | 約 14.1% | 約 17.0% |
こうして比較すると、単年の平均値よりも、複利平均のほうが数値が小さくなることがわかります。その理由は、「値下がりした後の1%は、値上がりする前の1%よりも大きな金額になるため(ボラティリティの摩擦効果)」です。
例えば、100万円を投資していて、1年目に30%下がり、2年目に30%上がった場合、算術平均では、平均リターンが「0%」となりますが、実際には、1年目に30%下がると資産は70万円になり、2年目に30%上がると、資産は91万円となり、資産が小さくなります。
そのため、長期の資産形成・積み立てにおいては、複利を考慮したCAGRがより実情に近い指標となります。

単年の平均で計算すると、実際よりも大きな値になってしまう危険性があるんですね……!
直近30年間の複利平均は、オルカンが8%、S&P500が10%、ナスダック100が14%
ということで、結論としては、直近30年間の複利平均リターンは、オルカンが約8%、S&P500が約10%、ナスダック100が約14%ということになります。

30年間の平均でこの数値はかなりうれしいですね!
これをもとに、自身のポートフォリオの内容を勘案しながら想定リターンを設定するのがよいでしょう。
我が家の場合は、S&P500をメインに、オルカンやナスダック100(レバナス含む)もそこそこ入っているという割とぐちゃぐちゃなポートフォリオになっているのですが、平均を取れば、S&P500くらいの期待リターンでいいのではないかと思っています。
そう考えると、過去に試算した我が家のFIREシミュレーションもちょっと変わってきそうです。
上記の記事では、想定リターン8%で計算し、2030年4月頃に1億2000万円を達成する計画でしたが、想定リターンを10%に設定することで、1億3000万円程度になることが分かりました。

2%変わるとシミュレーション結果も大きく変わってきますね!
資産運用シミュレーションは複数パターンで考えておく
上では、主要指標の期待リターンを参考にしましたが、これはあくまで直近30年間の平均であり、この先も同じように続くわけではないこと、特に試算の期間が短い場合、振れ幅が大きくなることは考慮しなければなりません。
そのため、資産運用シミュレーションは、上記で紹介した想定リターンをベースにした「メインシナリオ」の他に、「悲観シナリオ」「楽観シナリオ」も考慮しておくと、将来の「もしも」に備えやすくなります。
ここの数値をどう取るかは人によって変わってくると思いますが、私の場合は、「悲観シナリオ(2%)」「やや悲観シナリオ(5%)」「保守的シナリオ(7%)」「メインシナリオ(10%)」「楽観シナリオ(13%)」「超楽観シナリオ(15%)」くらいで考えたいなと思っています。

これで考えると7%でも「保守的」と言えるんですね!
我が家の各シナリオでのシミュレーション
我が家の各シナリオでの4年後の試算シミュレーションは以下です(8月末までにマンション売却が完了し、資産8500万円を元手に4年後の資産を計算。月14万円を積み立てる想定)。
| シナリオ | 2030年8月時点の推定資産額 |
| 悲観シナリオ(2%) | 約9900万円 |
| やや悲観シナリオ(5%) | 約1億1000万円 |
| 保守的シナリオ(7%) | 約1億1915万円 |
| メインシナリオ(10%) | 約1億3266万円 |
| 楽観シナリオ(13%) | 約1億4730万円 |
| 超楽観シナリオ(15%) | 約1億5772万円 |
向こう4年間の平均リターンが2%というのはかなり保守的な数値ですが、これでもほとんど1億円に近い資産になることが分かります。もし、非常によりリターンで成長し続ければ、1.5億に乗せる可能性も出てきています。
とはいえ、注意点もあります。私の場合、シミュレーション期間が4年という短期間であるため、むしろマイナスになる可能性も十分にあり得ます。
しかしながら、一般的な資産運用シミュレーションツールでは、将来のマイナス成長のシミュレーションができません。もし、マイナスになるリスクも知りたいのであれば、AIに計算をお願いするとかはありかもしれません。

将来、資産が減っていくシミュレーションはできればしたくないですが……!私のケースで「超超超絶悲観シナリオ(−5%)」で計算した場合、世帯資産は約7422万円になります。
まとめ:資産運用シミュレーションは複数シナリオで将来に備えよう
今回は、子持ちFIREの資産運用シミュレーションは、想定利回り何%で計算する?というテーマで考えてみました。
まず、有名な「4%ルール」は、あくまで取り崩しのルールであって、資産の成長に「4%」を使うということではないというのは前提として覚えておきたいところです(この場合でも想定利回りは7%で計算できます)。
また、今後の資産シミュレーションをするときには、直近30年間の主要指標(オルカン、S&P500、ナスダック100)の平均リターンを見ると、いいかもしれません。それぞれの30年間の複利平均は、約8%、10%、14%となっており、ナスダック100が頭一つ抜けている感じです。手持ちのポートフォリオを考慮しながら、自分のシミュレーションに適した想定利回りを設定するとよいでしょう。
ただし、このリターンは、「この先も同様に続くかは分からない」点と、「短期間での資産では振れ幅が大きくなる」点には注意が必要です。私のように、数年後のFIREを見越している場合は、リターンが大きく上下する可能性があるため、敢えてマイナスの資産もしてリスクに備えることも重要になるかもしれません。
いずれにしても、想定利回りが低すぎて絶望したり、逆に高すぎてあとでがっかりしたり、見込み違いでFIREできないなんてことにならないよう、複数のシナリオを自分なりに頭に思い描いておくことが大切です。
その上で、「もしこのシナリオになったらこうする」というところまで考えておけると、FIREの成功確率はさらに上がるのではないかと思います。
ということで、今回は以上です!



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