こんにちは。40代で2人の子供を育てながらサイドFIREを目指しているせつやんです。
住居は持ち家がいいか賃貸がいいか、これは永遠に終わりがない議論です。FIREを目指す人の間でも意見が真っ二つに分かれるテーマですね。
今回は、私の経験も交えながら、子持ちFIREを目指すなら、持ち家と賃貸、どっちがいいかについて考えてみます。

常に意見が分かれる議論です。どっちがいいんだろう……!?
持ち家と賃貸のメリット・デメリット

一般的に、持ち家と賃貸には、それぞれ上記のようなメリット・デメリットがあります。簡単におさらいしておきましょう。
この中で特にFIRE文脈で特に重要になるのが、持ち家目線だと「メリット1.資産になる」「持ち家のメリット4.老後の住居確保」、「デメリット2.維持・管理費」「デメリット4.価値が下がるリスク」です。
一方、賃貸目線で重要になるのが「メリット2.維持費がかからない」「メリット3.初期費用が抑えられる」、「デメリット1.資産にならない」「デメリット2.家賃を払い続ける」「デメリット4.高齢時の契約更新が難しい場合あり」です。
持ち家と賃貸、どっちが得?比較基準について
持ち家と賃貸、どっちが得かという議論をする上で、何を持って比較するか、前提を決めておくことは重要です。今回は「キャッシュフロー」「生涯コスト」の2つの基準で比較していきたいと思います。
想定する前提条件は以下です。
- 40歳夫婦が子供2人(6歳、3歳)を育てる
- 90歳まで生きることを想定
- 3LDK(70m2)に居住する
- 徒歩10分圏内、新耐震基準適合物件に限る(1981年以降築)
- 持ち家の場合、生涯保有することを想定
- 住宅ローンは35年、金利1%として計算
- 頭金を100万円として計算
- 賃貸の場合、第二子の子供の大学進学とともに2LDK(55m2)に住み替える
キャッシュフローでは賃貸が有利
まずは、月々の資金繰り(キャッシュフロー)の観点で見ていきましょう。
首都圏のケースで考えますが、エリアによって条件がかなり変わってくるので、今回は子育て世帯に人気の街として、「都内東部(北千住)」「都内西部(府中)」「郊外・神奈川(新百合ヶ丘)」「郊外・埼玉(大宮)」「郊外・千葉(流山おおたかの森)」で比較してみたいと思います。
| 持ち家 | 賃貸 | |||||
| エリア | 価格 /ローン返済 | 諸費用 | 合計 | 家賃 | 管理費 | 合計 |
| 北千住 | 6500万円 /18.1万円 | 4万円 | 22.1万円 | 20万円 | 2万円 | 22万円 |
| 府中 | 7000万円 /19.5万円 | 4万円 | 23.5万円 | 22万円 | 2万円 | 24万円 |
| 新百合ヶ丘 | 7000万円 /19.5万円 | 4万円 | 23.5万円 | 20万円 | 2万円 | 22万円 |
| 大宮 | 7000万円 /19.5万円 | 4万円 | 23.5万円 | 20万円 | 2万円 | 22万円 |
| 流山 | 8000万円 /22.3万円 | 4万円 | 26.3万円 | 18万円 | 2万円 | 20万円 |
上記は、SUUMOやライフルホームズを見て、大まかな相場感で記載たものです。簡略化するために、諸費用・管理費は一律としています。
なお、持ち家の場合は上記の他に固定資産税が年間20〜30万円程度かかることになります。また、金利2026年7月現在では、1%は変動金利の水準であり、将来さらに負担が増える可能性もあります。
さらに、多くのマンションは慢性的な修繕積立金不足です。物価高騰もあり、将来的に修繕積立金の値上げがなされる可能性も十分にあり得ます。
これらを総合すると、基本的に毎月の支払額は賃貸がお得、ということになります。

正直、同条件なら持ち家のほうが有利だと思っていました。意外な結果です!
初期費用でも賃貸が有利
持ち家(中古マンション)の場合、頭金の他にも税金やローン手数料、仲介手数料など、物件価格の6〜9%程度がかかると言われており、仮に7000万円の物件を購入した場合、400〜600万円程度もの初期費用がかかることになります。
一方の賃貸の場合は、仲介手数料の他に、敷金・礼金、前払家賃などが含まれますが、大まかに合計で家賃の5〜6ヶ月分程度が相場です。家賃20万円のマンションに住む場合の初期費用は100〜120万円となり、購入する場合と比較すると断然少なく済みます。

数百万円もの差は無視できないですね……!
生涯コストでは持ち家が有利
次に生涯コストを見てみましょう。ポイントは、持ち家の場合は35年のローン支払いが完了すると、住宅費が大幅に減りますが、賃貸は支払いが続くという点です。
ただし、最初に設定した前提の通り、第二子の大学進学と同時に、つまり夫婦が50歳になった次点で少し小さめの部屋に引っ越すことを考えて計算します。
ここでは、上で紹介した「大宮」に住むことを想定した例で考えてみましょう。
持ち家の場合
7000万円のうち100万円を頭金とし、6900万円を金利1%で借りた場合の総返済額は約8180万円です。ここに、90歳までの55年間の諸費用(4万円×12ヶ月×55年)1980万円を足すと、1億160万円になります。ここに、さらに購入時の初期費用として500万円を足すと、1億660万円となります。
賃貸の場合
賃貸の場合は、50歳までにかかる家賃(管理費含む)が、22万円×12ヶ月×15年で3960万円、この間に2年毎の更新費として7ヶ月分・140万円、初期費用100万円がプラスされます。さらに、ここから90歳までの40年間は、少し小さい2LDKの部屋(家賃14万円・管理費1.5万円)に引っ越します。
この40年間でかかる費用は、15.5万円×12万円×40年で7440万円です。この間の更新が19回ありますので、14万円×19で266万円、さらに初期費用で70万円かかるものとして計算します。これらをすべて足すと、1億1756万円となり、持ち家の総コストを1000万円以上逆転する計算になります。

賃貸の場合、長生きするほどコストがかかることになりますね。
最強は持ち家と賃貸のハイブリッド戦略?
この話題って、持ち家か賃貸かの、「白か黒か」の議論になりがちなのですが、この記事で投げかけたいのは、その中間、ハイブリッド戦略もアリなんじゃないかということです。
子供を育てている世帯であれば、ほとんどの場合、子供の独立という分かりやすいライフステージの転換点が来ます。夫婦2人になれば、相応の小さい家でも十分に暮らしていけます。
つまり、私が言いたいのは、このタイミングで、住居のあり方を変えることで最適化できないか、という提案です。
方法は大きく2つです。1つは、子供が巣立つまで賃貸で、その後を持ち家で過ごすパターン。2つめはその逆で、子供が巣立つまで持ち家で、その後を賃貸で暮らすパターンです。
【賃貸先行型】子供が巣立つまで「賃貸」で暮らすケース
まずは1つめ。子供が巣立つまで賃貸なので、最初のシミュレーションの条件をそのままつかい、同様に「大宮」で暮らすケースを考えてみます。
子供が巣立つまで、つまり夫婦が50歳になるまでの15年間にかかる賃貸のお金は、4200万円です。このタイミングで夫婦2人で住む2LDK(55m2)のマンションを購入し、引っ越します。
マンションの価格は5500万円、住宅ローンは一般的に80歳までに完済する必要があるため、最大の30年で組みます。すると、ローン支払いは約17.5万円で総返済額は約6250万円となります。初費用は2.5万円とし、90歳までにかかるお金は、2.5万円×12ヶ月×40年で1200万円です。
すべて合わせると、生涯コストは1億1650万円となり、「賃貸」のケースに近い金額になります。

このケースだと、そんなに費用に違いが出ませんね……。
【持ち家先行型】子供が巣立つまで「持ち家」で暮らすケース
2つめは逆パターンで、35歳の時点でマンションを購入して、子供が巣立つタイミングで売却、その後を夫婦2人で暮らす賃貸に住み替えるケースです。
毎月の負担額は23.5万円で15年間住むと、23.5万円×12ヶ月×15年で4230万円、購入時の費用を500万円とすると、ここまでにかかる費用は4730万円となります。
このタイミングでマンションの売却を考えます。
利益が出る可能性も十分ある
7000万円のマンションを上記の条件で購入したときの15年後の残債は、約4230万円です。
大宮駅の駅近、70m2のファミリー物件であれば、15年住んだあとも十分な高額で売却できる可能性が高いでしょう。不動産価格の高騰もあるため、きれいにリノベーションを施せば、購入時価格と同等の価格で売却できる可能性もあります。
ここでは1500万円のリノベーション費用をかけて7000万円で売却するケースを考えます。7000万円からローン残債とリノベ費用を引くと、単純計算で1270万円、売却にかかる費用として売却価格の6〜7%かかります。ここでは500万円とします。
すると、1270万円−500万円で約770万円残ることになります。
ここから、残りの40年を賃貸で暮らします。少し小さい2LDKの部屋(家賃14万円・管理費1.5万円)に引っ越し、これを計算すると、以降の住宅費は7440万円となります。前段で計算したように。更新費・初期費用を合わせて336万円です。
すべてを合計すると、最初の15年の持ち家費用4230万円ー利益770万円+残り40年の費用7776万円となり、合わせて1億1236万円となります。

なんと……!このケースもほとんど変わらない金額になりました……!
持ち家派は、資産価値を維持向上できることが大前提
今回は、大宮に住むことを前提に話を進めましたが、そもそも大宮は「住みたい街」の上位常連で、ファミリーを始めとして非常に不動産需要の高いエリアです。
そのため、今回のような試算になっていますが、もし資産価値を維持できない物件を購入する場合は、賃貸が有利になっていくことが考えられます。
逆に言えば、購入時よりも不動産価値が向上していくことが考えられるエリアで持ち家を買うことができれば、持ち家大勝利、ということになるでしょう。
住宅費の生涯コストを考えるならば、「資産価値」や、人気エリアで売りやすい「流動性」が非常に需要になることは覚えておきたいところです。
持ち家でも一軒家は事情が変わる
また、今回はマンションを例に考えましたが、一軒家の場合は少し事情が変わってきます。
一般的に、一軒家の「ウワモノ」つまり、建物部分は、新築から20年強で価値がゼロになります。具体的には、日本の税制では木造一戸建ての耐用年数は22年とされており、それを経過すると建物の査定額はほぼゼロとなり、実質的に土地の価値のみで取引されることになります。
一方の鉄筋コンクリート造のマンションの耐用年数は47年と長く、建物自体の価値は評価されやすいのが特徴です。
ただし、一戸建ての場合、所有する土地については底値より下がることがないため、周辺の地価が上昇していくと、数十年後に購入時と変わらない価格で売却できるケースもあります。
仮に大宮のエリアであれば、(徒歩10分圏内に一戸建てを買うのは困難ですが)、駅から少し距離のある場所でも高額で売却できる可能性があります。
持ち家or賃貸総コストの早見表
| ケース | 総コスト |
| ずっと持ち家 | 1億660万円 |
| ずっと賃貸 | 1億1756万円 |
| 賃貸先行型ハイブリッド | 1億1650万円 |
| 持ち家先行型ハイブリッド | 1億1236万円 |
こうして比較してみた率直な感想は、「そんなに差がつかないな」ということです。一応、結果としてはずっと持ち家が一番低コストで、ずっと賃貸が一番高コストとなっていますが、これは何年生きるかによるので、この差は人によって大きく変わるはずです。
ハイブリッド型にしても、結局は家がどれくらいの価値で売却できるかに強く依存するため、結局は持ち家の価値次第で、このどれもが一番得になるシナリオがありそうです。
せつやん家の戦略は持ち家?賃貸?
最後に、私せつやん家のケースを紹介したいと思います。我が家は、実は最初から「持ち家先行型のハイブリッド戦略」を取る計画をしていました。
私たちが購入したのは2018年のこと。東京から非常にアクセスのよい、神奈川県の某人気エリア駅徒歩6分の、当時築27年の中古マンションでした。
購入当時、まだ子供はいませんでしたが、2人くらいほしいね、と妻と話しており、子供が中学校に上がるくらいのタイミング(2030年〜2033年くらい)で、マンションを売却して他のところに住む、というような青写真を描いていたのです。

うーん、そんなに上手くいくのか……?
どんどん高騰する不動産。売却へ
そうこうしているうちに、首都圏の不動産価格はどんどん上昇。マンションの階段に妻が不満を抱えていたこともあり、「もう売ってもいいんじゃね?」という気持ちになってきて、売却に踏み切りました。
結果、3480万円(激安!)で購入したマンションは2026年に4980万円で売却することができました。この約8年間にかかった費用は以下です。
- ローン支払い:月11.1万円×12ヶ月×8年=1065万円
- 管理費・修繕積立金:月3.6万円×12ヶ月×8年=345万円
- 固定資産税:年18万円×8年=144万円
- 合計:約1554万円
売却時のローン残債は約2960万円で、手数料等で180万円かかったため、これも差し引くと、まず手残りが約1950万円。
ここから実質的に支払った金額1554万円を引くと、396万円となります。つまり、我が家のケースで言うと、8年間住んで実質的に住居費を1円も支払わず、かつ約400万円の利益を得たことになります。

ほげええええええええ!!!大勝利やんけ!!!
その後は賃貸生活
8年間、実質タダどころか、むしろお金を得ながら住んだことになるとは、本当に凄まじいです。
そして、手元には2000万円近いお金が転がり込んできたわけで、これは本格的にFIRE待ったなしという感じになったわけです。
その後は、再度購入を考えたものの、売却価格が高騰しているということは、購入価格も高騰しているということなので、ここで得をするのは困難と判断。
売却益を得ることができるので、それを使って先にFIREできるだけの資産を作ることを優先しようと考えました。
数年内には、十分な資産を作ることができる想定なので、もしかしたらFIREする前に(会社員のうちに)住宅ローンを組んで、あらためてマンションを買うかもしれません。

私はこだわりはないのですが、妻が持ち家派なので、将来的にまた買うかもしれません。
まとめ:究極どっちでもいいが、FIRE目指すなら賃貸か
今回は、子持ちFIRE世帯が取るべき住宅の選択は持ち家か賃貸か、というテーマで、色々考えてみました。
この議論は、見方によっていろんな結論が出てくるので、「絶対にこっちがいい」ということは言えません。今回の一旦の結論としては、「キャッシュフロー」の面で考えるなら賃貸、「生涯コスト」の面で考えるなら持ち家、となったものの、これも中身の条件が変わると結果がまったく違うものになる可能性もあります。
つまり、どっちがいいとは一概には言えず、もっとあけすけに言うならば「どっちでもいい。好きなほうにすればいい」ということになろうかと思います。
FIRE目指すなら賃貸がやや有利?
ただ、購入の場合は、特にキャッシュフローの面で見た時に、購入時に大きな費用がかかる点はFIREを目指す家庭にとっては見逃せないデメリットです。
本来は運用に回せるお金、数百万円を初期費用に充てるわけですから、資産形成の失速は避けられません。
我が家の場合は、資産形成の極初期で購入しており、まだFIREを目指す前だったので、あまり実感はしませんでしたが、すでにFIREを目指している家庭にとっては大きな痛手になるはずです。

FIREを目指している最中に数百万円が飛んでくのは痛すぎます!
持ち家にするなら資産価値の見極めは必須中の必須
もし、持ち家にしたい場合は、物件や土地の資産価値の見極めは必須オブ必須です。「なんかいい感じの土地で住みやすそうだから」という理由だけで選ぶと、今はその気がなくても、いつか売却したくなったときに、高値で売れずに苦労する可能性が高いと言えます。
できれば、不動産需要の高い人気エリア、そうでなかったとしても最低でも駅近の物件を探すことをおすすめします。
そうすれば、我が家のように運よく売却益を出して一番コストを抑えられる、という結果を出すことも不可能ではありません。
ということで、長くなりましたが、今回は以上です!



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