
FIREすると保育園の点数ってどうなるんだろう?もしかして退園……!?
こんにちは。40代で2人の子供を育てながらサイドFIREをめざしているせつやんです。
子持ちFIREを目指している人の中で、特に小さい子供がいるときに、気になるのが「保育園どうするか問題」です。
認可保育園では、「点数制」が採用されており、子供を預けるには一定の点数(指数)が必要になります。特に、保育園激戦区では、この点数が非常に重要になります。
そして、この点数の主要な評価軸に「就労しているかどうか」「就労時間」があるため、FIREを目指す人にとっては非常に頭の痛い問題となります。
そこで、今回はFIREすると保育園はどうなるのかという、お金の話とは別軸にある、しかし切実な疑問について、制度面から整理していきます。
保育園に入園・継続するための「保育の必要性」とは
FIRE後の保育園について考えていく前に、まずは今の制度がどういう仕組みで成り立っているのかを確認しておきましょう。
「保育の必要性」認定の基本的な仕組み
認可保育園の利用は、家庭で子供を保育できないという「保育の必要性」に基づき、自治体から認定を受けることで可能になる仕組みです。
つまり保育園は、「希望すれば誰でも入れる」施設ではなく、一定の事由に該当する家庭のための制度だという前提を理解しておく必要があります。

この時点でちょっとイヤな予感がしてきます……。
「就労」は、認可保育園の代表的な認定事由
保護者の就労は、この保育の必要性が認められるもっとも一般的な理由の1つです。
この制度構造があるために、多くの家庭が「共働きで子どもを見られない」という理由で保育園を利用しています。
逆に言えば、FIREによって就労を辞める・あるいは減らすということは、この認定事由そのものが揺らぐ可能性がある、ということです。

ああああ!やっぱり……!でも、フルFIREとサイドFIRE、バリスタFIREでは状況が変わるのでは?そのへんも知りたいですね!
フルFIRE(完全リタイア)した場合、保育園はどうなる?
FIREにはさまざまなスタイルがありますので、代表的なスタイルごとに、どうなるかを整理していきましょう。まずは、FIREといえばコレ、フルFIRE(完全リタイア)した場合です。
FIRE後、「求職活動」として在園を継続できる期間の目安
会社を退職し、完全にリタイアした場合でも、即座に退園となるわけではありません。
多くの自治体では、退職日から90日目を迎える月の翌月1日までに、週16時間以上かつ月64時間以上の就労を開始できないと退園となるという運用がなされています。
つまり、退職後およそ3ヶ月間は「求職活動」という事由で在園を継続できるケースが多いということです。また、この期間は失業保険を受給できます。
ただし、「求職活動」という事由で在園を継続するためには、「今後働く意思があり、実際に求職活動を行うこと」が前提となります。

自由になるために仕事をやめたのに、「求職活動」をしないといけないのか……。
就労の意志がないのに「求職活動」をするの?実際何をすればいい?
その後、働く意思がなくても大丈夫?と感じた方もいるかもしれませんが、実際問題、その人がどう思っているかは誰にも分かりません。
そのため重要なのは「本当に就労の意思があるか」よりも、「就労のための活動をしたか」という客観的な事実です。求職活動をしているかどうかの審査は、すべて客観的な書類や実績に基づいて行われます。
退職後に保育園を継続するには、自治体へ「求職活動申告書」などを提出する必要がありますが、自治体によっては以下のような実績の提出や報告も求められることがあります。
- ハローワークでの職業相談実績や検索履歴
- 面接の受検や求人への応募履歴
- 派遣会社への登録など
形式的であってもこれらの活動を行っていれば、基本的に「求職活動を行っている」とみなされます。
虚偽の報告はペナルティ対象に
働く意思が薄い状態でも、客観的な求職活動の形を作る(面接を受ける、ハローワークで相談する等)こと自体は可能ですし、行政側としても規約違反を問うのが難しいですが、一方で「活動をしていないのに、したと嘘の申告をする」ことは、明確な不正利用になります。
もし、虚偽の報告をし、それが発覚した場合には以下のようなペナルティが課せられることになります。
- 保育園の即時退園処分
- 「求職活動」と「就労」の保育料差額の過去遡及請求
- 失業保険(雇用保険)も並行して申請・虚偽報告していた場合、受給額の返還+最大2倍の納付命令(いわゆる3倍返し)

虚偽報告は絶対にやったらあかん!
期限内に就労を開始しないと退園に
そして、上記の期間内に一定の就労を再開しなければ、通っていた認可保育園は退園となってしまいます。
フルFIREを目指して退職したものの、認可保育園を継続したい場合は、この期限を意識しておく必要があるでしょう。自治体によっては、求職活動を理由とした入所は年度内に一度きりで、繰り返し利用することはできないという制限を設けているところもあります。
新規の入園でも圧倒的不利に
上記は継続利用のケースですが、フルFIREをしたあとに子供が保育園に入園する場合でも圧倒的に不利な立場となります。
特に、首都圏など保育園激戦区では、両親がフルタイム労働をしていることが「スタートライン」で、さらにどれくらい上乗せできるかという世界になるエリアもあります。
このようなエリアでは、夫婦どちらかがパートタイム労働であるというだけではじまれてしまい、「待機児童」となってしまう可能性が高まります。

首都圏厳しすぎる……!
とはいえ、自治体によって基準は異なる
ここまで、FIRE民にとってはかなり厳しい話になってしまいましたが、紹介した数字はあくまで一例で、就労時間の基準や求職活動の認定期間は、自治体によって異なります。
認可保育園への入園倍率も自治体によって大きく異なり、フルタイム労働でなくても入れるエリアももちろんあります。
自治体の子育て支援課や保育課で、実際にどれくらいの基準で入れるのか、過去のデータから調べてもらうことができるので、まずは自治体の窓口に、事前に確認しに行くとよいでしょう。
バリスタFIREなら保育園を継続しやすい?
フルFIREのような完全リタイアではなく、資産収入と労働収入を組み合わせるFIREスタイルの場合はどうなるのでしょうか?このようなスタイルには、バリスタFIREとサイドFIREがあります。まずは、バリスタFIREのケースから考えてみましょう。
就労時間の基準(月64時間・週16時間など)はクリア可能
先ほど触れた通り、多くの自治体では週16時間以上・月64時間以上という就労時間が、「保育の必要性」に関する1つの目安とされています。
バリスタFIREのように、パートやアルバイトという形で継続的に働く場合は、この基準は比較的満たしやすいと言えます。
ちなみに、日本の保育園制度(認可保育園)は、「入るためのハードル」は非常に高く、「入った後に維持するハードル」は低く設定されている構造になっています。
つまり、子供がすでに認可保育園に在園している場合、バリスタFIREであれば在園を継続させやすいでしょう。
一方で、厳しいのは新規入園させる場合です。
上述の通り、認可保育園の保育園制度は入るハードルが高く設定されているため、「週16時間以上・月64時間以上」の基準をクリアしたとしても入れない可能性が高くなります。
つまり、バリスタFIREの計画がある場合は、子供を認可保育園に入園させてから実行に移すのがセオリーです。

まずは子供を入園させてからバリスタFIREする!覚えておきましょう!
パート・アルバイトでも就労証明書を提出すれば認定対象になる
ちなみに、雇用形態が正社員かパートかということ自体は、認定において決定的な要素ではありません。勤務先から発行される就労証明書を提出し、基準となる時間数を満たしていれば、パート・アルバイトでも保育の必要性は認められます。
このことも含めて、バリスタFIREというスタイルと保育園の継続が、比較的相性の良い組み合わせであることが分かります。
サイドFIRE(フリーランス・個人事業主)で保育園を継続する方法は?
次に、サイドFIREの場合です。サイドFIREは、雇用されない働き方、つまりフリーランスや個人事業主として労働収入を得るスタイルを選択した場合のことを指します。このケースだと、また少し事情が異なります。
【大前提】自営業・フリーランスも「保育の必要性」の対象になる
まず前提として、個人事業主やフリーランスであっても、保護者の就労形態にかかわらず、保育が必要と認定されれば保育園を利用できます。「雇われていないから対象外」ということはありません。
ただし、会社員やアルバイトなどと異なり、「保育の必要性」を証明するための書類を自分で作成する必要があります。
就労証明書ではなく「就労状況申告書」等が必要に
フリーランスや個人事業主の場合、証明の方法は会社員と異なり、就労証明書の代わりに就労状況申告書の提出が求められることがあります。
これは自治体が用意する専用の書式で、役所窓口や自治体のホームページから入手できるケースが一般的です。
開業届・確定申告書など、就労実態を示す書類の準備
また、就労状況申告書に加えて、開業届の写しや、確定申告書(青色申告決算書・収支内訳書など)の控えといった、就労の実態を客観的に示す書類の提出が必要になることもあります。
さらに、継続的な仕事であることを示すために、業務委託契約書や請求書、報酬の振込が確認できる通帳の写しなどが補足資料として求められる場合もあります。

うわ……ちょっと面倒くさそう……。
フリーランスは会社員より不利になりやすい
ちなみに私調べでは、フリーランスや個人事業主は就労実態を証明するために複数の書類を揃える必要があり、しかも自治体によっては会社員と比べて保育園の審査で不利になりやすい傾向があるようです。
やはり一番のネックになるのが収入や労働時間が外から見えにくいことです。これが選考時の点数評価に影響しやすくなるようです。
子供に保育園への入園や継続在園が必要で、サイドFIREを目指す場合は、書類の準備は早めに、丁寧に行っておくことがまず重要なポイントになります。
しかし、書類作成の手間や、点数面で不利になる点に関しては、バリスタFIREと比較したときの大きなデメリットとなります。
FIREしても子供を預けられる保育園はある?
もし、FIREをして認可保育園への継続在園ができなかったり、入園で落ちてしまった場合にはどうすればよいのでしょうか。実は、このような場合でもいくつかの選択肢があります。
認可外保育施設という選択肢
保育園には、前述の点数制度で審査される認可保育園のほかにも「認可外保育園(認可外保育施設)」があります。
認可外保育園は、自治体の「保育の必要性」認定を必要としないため、就労状況にかかわらず利用できるケースが多くあります。FIREで認可保育園に在園できなくなったときには有力な選択肢になるでしょう。
ただし、認可保育園と比べて保育料が高くなる傾向があることや、施設によって体制にばらつきがあることには留意が必要です。
こども誰でも通園制度の活用(2026年4月本格実施)
比較的新しい制度で、「こども誰でも通園制度」が2026年4月から本格的に始まっています。この制度は0歳6か月から満3歳未満で保育所等に通っていない子供を対象に、就労要件を問わず、決められた利用可能時間の中で柔軟に利用できるというものです。
利用可能な時間は国の補助基準上限として月10時間とされていますが、自治体が独自に設定できるため、詳細はお住まいの自治体で確認する必要があります。
FIRE直後で就労実績がまだない場合の「つなぎ」の選択肢として、頭に入れておくとよいでしょう。
幼稚園や認定こども園(1号認定)への切り替えという選択肢
3歳以上の子供であれば、就労要件を問わない幼稚園や、認定こども園の1号認定という選択肢もあります。認定こども園の「1号認定」とは、親の就労条件を問わず、幼稚園と同じように通える教育枠のことです。
満3歳から就学前の5歳まで利用可能で、就労要件はありません。幼児教育・保育の無償化により、利用料(基本保育料)は無料(給食費や通園バス代などは実費)ですが、基本預かり時間は1日4時間程度となっています。
なお、選考は自治体によるポイント審査ではなく、園に直接申し込んで面接や抽選で決定される仕組みです。
保育園に比べると預かり時間が短くなりますが、就労状況に左右されず利用できるという点では安心材料になります。
選択肢ごとの費用感の違い
このように、認可保育園以外にも選択肢がないわけではありません。しかしながら、認可外保育施設や幼稚園は、認可保育園と比べて費用が高くなる可能性がある点には留意が必要です。
また、2019年10月から「幼児教育・保育の無償化」がスタートしているため、3歳〜5歳児の基本保育料(月額上限2万5700円まで)は全国一律で実質無料となっていますが、それ以外の費用や上乗せ補助金については、預ける施設や自治体によって異なるため、事前にしっかり確認しておきましょう。
FIRE後の家計シミュレーションを行う際は、「保育園継続が前提」のケースだけでなく、「代替の預け先を利用する」ケースの費用も並行して試算しておくと、いざという時に慌てずに済みます。

認可保育園に継続在園できなかった場合のシミュレーションもしておいたほうがよさそうです!
FIRE後は保育料が下がるって本当?
ここまでは、FIREによる保育園の退園リスクや入園できないリスクについて考えてきましたが、反対に、メリットになり得るのが「保育料の減額」です。
保育料は住民税(所得)をもとに算定される
認可保育園の保育料は、一般的に世帯の住民税額(所得)をもとに算定されます。そのため、FIRE後に世帯の課税所得が下がれば、保育料も下がる可能性があります。
資産の取り崩し方によって保育料が変動する可能性も
反対に注意したいのは、資産の取り崩し方によっては、一時的に所得(課税対象)が増えて翌年度の保育料が上がってしまうケースがある点です。
例えば、「一般口座」や「特定口座(源泉徴収なし)」で売却益が出た場合や、「特定口座(源泉徴収あり)」であっても損益通算などのために自ら確定申告を行った場合は、売却益が住民税の所得としてカウントされ、翌年度の保育料が跳ね上がる可能性があります。
なお、「特定口座(源泉徴収あり)」で確定申告を行わない(申告不要制度を使う)場合や、NISA口座から取り崩す場合は、どれだけ売却益が出ても保育料には一切影響しません。
税制上の口座選択や確定申告の有無、取り崩しのタイミングによって保育料が変動しうることは、資産計画の中に組み込んでおきたいポイントです。

FIRE後の資産の取り崩しにも注意が必要ですね!
FIREを検討する前に保育園について確認しておきたいこと
あらためて、FIRE実行前にできる具体的な保育園関連の準備をまとめておきます。
自治体の窓口で就労基準を事前確認する
これまで紹介してきた就労時間などの数字は、あくまで一般的な目安です。自治体によって異なる場合があるため、必ずお住まいの自治体の窓口で、就労時間の基準や求職活動の認定期間、必要書類を事前に確認しておきましょう。
FIREのタイミングを保育園の年度と合わせて検討する
保育園の利用は年度単位で運用されることが多いため、FIREのタイミングを、保育園の年度の切り替わりと合わせて検討することで、手続き上の混乱を減らせる可能性があります。

手続きは煩雑になりがちです。手間は少ないに越したことはありません!
【せつやん家】我が家は2030年3月まで保育園利用予定
最後に、我が家の状況を共有しておきたいと思います。
2026年9月現在、我が家には3歳の娘がおり、この4月から近所の認可保育園に通っています。
娘はダウン症という先天性の遺伝子疾患を抱えており、ちょうど先月から療育という知能・身体の教育トレーニングに通っています。これにより、療育手帳(愛の手帳)をもらえることになりました。
話によると、これにより、保育園の点数が大幅にプラスになるそうです。
当初は、娘の卒園までは頑張ってフルタイム労働しないとな……と考えていましたが、バリスタFIREや、そうでなくても時短勤務などへの働き方の緩和でも十分継続在園が可能だということが分かりました。
いずれにしても、娘の卒園(2030年3月)までは保育園を利用することになると思います。夫婦どちらかでも就労要件を満たさなくなれば、退園の可能性もあるため、そこまでは頑張って働き、それ以降にサイドFIREをする、というのが我が家の計画です。

2026年9月現在、世帯資産は8900万円。娘の卒園までに1億2000万円にしてFIREするのが目標です!
まとめ:保育園の継続ならバリスタFIREが最強
今回は、FIREしたら保育園の点数はどうなるのかという、子持ちFIRE世帯にとっての死活問題について詳しく解説しました。
認可保育園に継続在園・入園するには、まず「保育の必要性」を認定してもらう必要があります。
ただし、これは大前提です。さらに、特に保育園激戦区においては、夫婦両方がフルタイム労働していることが「最低ライン」になるケースも珍しくありません。
これは、特にフルFIRE民にとっては厳しい状態となります。そこで有力な妥協案となりうるのが、子供の卒園まではフルFIREではなくバリスタFIREにする、という方法です。
日本の保育園制度は、入園審査が特に厳しく、継続在園はそれほど厳しくないという特徴があります。もし、すでに子供を認可保育園に通わせていて、これからFIREしようとする場合には、働き方を緩めるバリスタFIREであれば、比較的容易に継続在園が可能になります。
もし子持ちでフルFIREを計画している人でも、数年間はバリスタFIREで仕事のストレスを軽減した生活を送り、無事卒園したタイミングでフルFIREに踏み切る、という方法にすることで、制度の恩恵を受けながらFIRE生活を送ることができます。
今回の記事を通して、そのことを再認識できたので、もしかしたら、私もこの方法でバリスタFIREするかも……?と思ったりしました。
保育園目線で言うと、入園前ならFIREしないほうがよい。入園したあとはバリスタFIRE、フルFIREしたいなら卒園後。これが結論です。
ということで、今回は以上です!


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